国際結婚する場合は要注意!簡単に離婚が認められない3つの国とは

日本で離婚をする場合、双方に異議がない限り役所に離婚届けを提出すると離婚出来ますが、簡単に離婚出来ない国もあります。

その理由は制度や法律、宗教などが関係しているため、離婚当事者に問題があって簡単に離婚出来ないわけではないようです。

この記事では簡単に離婚出来ない国やその『制度』『法律』について紹介します。

簡単に離婚出来ない国『イタリア編』

イタリアは簡単に離婚出来ない国の一つです。

その原因には『制度』『法律』『宗教』が関係しています。

簡単に離婚出来ない国だけあって、イタリアは晩婚が多いことでも知られているようですが、離婚したくても簡単に出来ないという点を考えますと、メリットばかりではないでしょう。

協議離婚制度がない

日本とイタリアを比較して大きく違う点は、イタリアには協議離婚制度がそもそも存在しないという点です。

日本の場合、協議離婚が離婚全体の9割となっていますが、イタリアは全て裁判所を通す必要があるのです。

『裁判所を通すだけなら、それほど難しくないのでは?』と感じる方もいるでしょうが、実はその先に離婚の壁となる法律が待っていて、離婚するのに早くても3年くらいかかってしまうのです。

法律上の離婚理由と法的別居

イタリアの法律では離婚をする時、法廷離婚理由に該当しなければ離婚することができません。

法廷離婚理由は『犯罪を犯した』『別居期間が半年以上』となっていて、一般的な離婚ならまず初めに『別居を半年以上』する必要があるのです。

この別居期間だけを見ますとそれほど難しく思えないですが、この別居期間に関しても法律によって詳細が決められています。

別居を申請すると半年後に法的別居が始まるため、実質1年をかけ調停離婚へと進み、更に法的別居の6ヶ月間を経て離婚になります。

一方、法的別居後の離婚方法は、平均250日程度要する協議による離婚(裁判所を通す)、平均500日程度要する判決による離婚が主な方法です。

イタリアでは簡単に離婚できない宗教的理由とは

更に、イタリアはカトリック信者が多いため、民事離婚が成立しても教会裁判所を通す宗教離婚の手続きが必要となります。

イタリアはローマ法王のいるカトリックの国です。

カトリックでは、離婚と中絶は罪として考えられており、1970年まで両方とも認められていなかったのです。

イタリアの『制度』『法律』『宗教』を見るだけでも、『費用や期間がかかる』という点が分かりますので、簡単に離婚出来ない国と言われているのでしょう。

簡単に離婚出来ない国『フランス編』

簡単に離婚出来ない国として挙げられるケースが多いフランスは、イタリアのような『制度』『法律』が離婚の壁になっているというよりも、『宗教』が簡単に離婚出来ない原因になっています。

一方、フランスは州ごとに離婚の『手続き』が違うため、住んでいる州によっては『制度』による『手続きの違い・複雑さ』が壁になるようです。

フランスの離婚の種類と宗教

フランスの離婚の種類は、『協議離婚』『許諾離婚』『破綻離婚』『過失離婚』などがあり、中でも『破綻離婚』はフランス特有の離婚方法です。

破綻離婚は、夫婦が2年間別居しているという要素だけで離婚できる制度のため、フランスは制度が離婚の壁になるとは言えないでしょう。

一方、フランスはイタリアと同様にカトリック信者が多いため、宗教が離婚の壁になる主な原因のようです。

宗教上離婚に対し寛容ではないと、離婚そのものが難しくなるので、宗教が原因の場合はかなり離婚への壁は高くなるでしょう。

簡単に離婚出来ない国『フィリピン編』

フィリピンは簡単に離婚出来ない国として有名ですが、その原因は『離婚制度』が存在しないからです。

『離婚制度』が存在しない理由は、カトリック教の国という点が強く関係していて、カトリック信者が多い国でも離婚制度自体はありますが、フィリピンの場合は曲げることなく離婚制度を導入していないようです。

フィリピンは絶対に離婚出来ないの?

フィリピンには『離婚制度』が存在しないため、離婚をすることはできないようになっていますが、フィリピン特有の2つの制度があり、この制度を利用すると離婚のような結果が出せるようです。

一つは『アナルメント制度』というもので、結婚自体をなかったことにする制度です。

この制度はかなり衝撃的ですが、100万円以上必要とする点や『厳しい条約』『1年以上かかる裁判』などの理由もあって、制度を利用できる人は限られてしまうようです。

二つ目の制度は、『リーガルセパレーション制度』というもので、裁判を起こし両者が納得すればすぐに成立します。

この制度は婚姻の記録がなくならないため、『再婚をすることが出来ない』というデメリットがあるものの、新しい家族を作ることは可能です。

まとめ

簡単に離婚出来ない国について紹介しましたが、フィリピンの制度を見ますと『離婚出来ないからずっと一緒に暮らす』とは限らないようです。

一方、イタリアのように『制度』『法律』『宗教』などが離婚の壁になっても離婚制度自体は存在しているため、離婚に対する概念は国によって大きく違うようですね。

『簡単に離婚出来ない国』と『日本のように離婚が難しいわけではない国』を比較した場合、どっちがいい国とは言えない人が多いでしょう。

一方、フィリピンのように『リーガルセパレーション制度』を利用しても、戸籍上『再婚は出来ない』ので、日本人が考える再婚とフィリピン人が考える再婚には大きな差があるようです。

マリッシュ

ピックアップ記事

関連記事一覧